2015
09.08

「種子」の知識や技術について その1 (あしたを拓く有機農業塾)

あしたを拓く有機農業塾

あしたを拓く有機農業塾、今回の講義内容は「種子」の知識や技術についてだった。一代交配のF1雑種から固定品種(京野菜など)、在来品種まで様々あるがその概略と種子を自家採種する方法について学んだ。せっかく在来の慣行農法ではなくこだわりのある有機農法に取り組むのであれば種子についての知識も欠かすことができない。

順を追って紹介したい。

 

種子(品種)の選び方

まず種子は大きく下記に分類される。農家用の種屋さんで購入する一般的な野菜の種子はF1雑種に該当する。

固定種

何世代にもわたり、絶えず選抜・淘汰され、遺伝的に安定した品種。ある地域の気候・風土に適応した伝統野菜、地方野菜(在来種)を固定したもの。東北地方のだだ茶豆や京野菜などが該当する。雑種交配しないよう種の管理をしっかりしているそうだ。

 

在来品種

近代育種が始まる以前に各地方で永年にわたる栽培があり、それぞれの環境に適応して成立し、現在まで保存されている品種を在来品種または地方品種という。現在は、F1品種や交配による改良品種に代わり、在来品種は急激に失われつつあるが、多様な遺伝的特性が遺伝子供給源として今後も重要である。特に病害虫に対する多面的な抵抗性の蓄積があるほか、食文化における価値も大きい。

 

一代雑種(F1雑種 ハイブリッド)

一代雑種は、両親の系統より優れた性質を現す「雑種強勢」という遺伝現象を用いた品種開発によるものである。収量性、生産物の揃い性、品質、病害抵抗性などに優れていることが特徴である。雑種であるために、栽培するF1品種品種から種取りすると雑種第二代の作物は性質がバラバラのものに広がってします。したがってF1品種からの自家採種は無意味であるから、毎年種子を購入しなくてはならない。

現在では、きゅうり、スイカ、トマト、ナス、キャベツ、ハクサイ、ブロッコリーの主流品種の多くがF1であり、ピーマン、メロン、カボチャ、ホウレンソウ、タマネギ、ニンジン、ダイコンなどもF1が増えている。種屋さんで購入する野菜はF1雑種。

では、どんな種子が有機農法に適しているのだろうか?有機農法では化学肥料や農薬散布をしないため、F1品種であれば、複合病害虫抵抗性に適合した品種を選ぶとよいそうだ。F1品種はよくできていて、同じ品種の中でも病害虫抵抗性を高めた種子も選べたりする。当然値段は高価になる。固定種や在来品種を選ぶ場合、作付けする地域特性に適合した品種を選ぶと失敗しないそうだ。関東でも北と南、山あいや海側では環境が違うのだから当然だ。有機農法としての品種選択について、一部引用する。

 

一般的な育成品種は、化学肥料と農薬を前提とした高生産性をねらって作出されており、地域特性(地理、気象、土壌)とともに有機農業への適性などは残念ながら考慮されていません。有機農業は農薬を使わずに作物栽培するのですから、地域特性に適合した品種、病害虫抵抗性のある品種が求められます。ブーム的な消費動向にとらわれずに、地域に永年にわたって定着してきた品種群(固定種、在来品種)が概して有機農業に向いていると考えられます。もちろん種苗メーカーの育成品種群がすべて不適であるということではありません。複合病害虫抵抗性を持ったF1品種なども有効に活用されてよいですが、一方で地域ごとに有機農業向きの多様な品種活用がなされている事実を重視すべきでしょう。すなわち、従来の慣行農法とは視点を変えた「有機農法としての品種選択」が必要なのです。

 

種子の自家採種方法を動画撮影したので、別途紹介したい。

その2へ続く。

 

 

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