2015
12.23

会社にこんなことを思っていたんだけど、言えなかったこと

会社組織について

以前、会社が抱える共通の問題(建築業界とリゾートホテル業界を比較)という記事を書きました。その内容で少々思うことがあったのでまとめてみました。

会社にこんなことを思っていたんだけど言えなかったことです。

 

双方に共通する問題というのは、事業規模(多角化)を拡大し過ぎたことと、非正規雇用社員を大量に雇用し人件費を下げてサービスの質を落としたということです。

以前勤めた会社では、それを原因として仕事内容に濃淡が発生し、知識集約型の仕事を取り合うために社内競争が激化し社員同士が足を引っ張り合うことで踏ん張りが利かなくなり企業価値がスパイラル状に落ちていきました。

 

個人的にはこれを改善するためには多角化路線を辞めて平川克美さんの著書『小商いのすすめ』にもあるように縮小して均衡する方策を取る必要があったんだろうなと思います。

その他会社を良くするための案として次のようなことを考えていました。

 

  • 事業の多角化を辞めて本来のコア業務(従来から取り組んでいた業務)に専念し落ちた価値を上げる。そもそも今まで取り組んだことのない事業で従来業務の売上が減った分をカバーするなどハンドリングの悪い大きい会社ではできないのだと腹をくくる。
  • 従来から取り組んでいた業務に必要以上に競争が発生しないよう、採用時に学歴で差を付け仕事内容を限定し、その了承を得ておく。効率的に経営するためには採用時点で本社勤務の大学院卒と現場勤務とを分ける必要がある。
  • 大きな業務改善は外注し知識集約型の仕事をあえて作るようなことはせずに餅は餅屋にまかせる。

 

社内の事情を詳しく知る者はおそらく誰しも思っていたと思います。しかし、この方法を経営者に具申した場合採用されるでしょうか?仮に私が社長だったなら激怒したと思います。

なぜなら、今まで取り組んできた仕事のやり方を変更するということは、その方法が間違っていたということを認めることになります。それを認めるということは、面子がつぶれるということです。実は、組織で最も重要なのは何よりも面子なのです。ですから、必要以上に社内競争が激しいということはマイナスにしか働きません。

しかしなぜ面子なのでしょうか?そんな時、私が所属する私塾で橘玲さんの著書『かっこにっぽんじん』が紹介されその点について次のように述べられていました。長くなりますが紹介します。

 

 

ありふれた「日本」

位階(ヒエラルキー)が厳密に定められたタイ社会では、部署や省庁の垣根を越えることができない。たとえば欧米に会社のように複数の部署を横断するスペシャリストを置こうとしても、けっきょくは特定のマネージャーの部下としてどこかの部署に所属することになる。そうでなければ、部下たちは彼の指示に面従背腹して従わなくなるだけだ。

タイの会社で出世するには、組織の中で目立たず、自主性を発揮せず、なによりも責任をとらないことが大事だ。タイに赴任した欧米人のマネージャーがぶつかる最初の壁は、タイ人の部下がはっきりとした態度を示さず、自分の意見を言わず、仕事のミスを注意しても「ほほえんで」いることだ。

こうした組織は安定するかもしれないが、自らのちからで「変革」することができないのだ。だからタイ社会は、つねに”ガイアツ”を必要としている。

このようにタイの文化は、日本にとてもよく似ている。バンコク日本人商工会議所理事で、タイ現地法人の社長を長く務めた斎藤親徳は、日本企業が東南アジアで成功した理由のひとつに、欧米人とちがって彼らの文化を理解できたことがあるという。

タイには「契約」という概念がなく、日本人もタイ人も「ものごとの白黒をはっきりさせることを好まない。」交渉ごとは以心伝心で、「まあまあ、いいじゃないか」「そこをなんとか」という腹芸がそのまま使える。お互いに「非契約国民」同士だから、ビジネスがスムーズに進むのだ。

これはべつに、日本とタイに特別な特別な親和性があるという話ではない。濃密な人間関係のなかで気配りと面子をなによりも優先するのは、中国や韓国、東南アジアのどこにでも見られる文化だ。

欧米の研究者たちは、「奇跡的な経済成長」に秘密を求めて日本を訪れ、そこに”恥”や”和”や”表と裏”などアジア的な農村社会のさまざまな特徴を見出した。彼らはこれを「日本的特殊性」と見なし、それを真に受けた日本人も自分たちが「特殊」な民族だと考えて、さまざまな日本人論が流行することになった。

だが、日本人は、ほんとうに特別なのだろうか。私たちの社会の文化や習俗、行動規範のなかで「日本的」とされているものの大半は、じつはアジア世界ではありふれたものにすぎないのではないだろうか。

ここで橘玲さんは、面子を最も重んじるのは農村社会が故だと論じています。そして、こうした社会は自らの力で変革することができないので常に”ガイアツ”を必要としていると指摘しています。本当にそのとおりだと思います。また、西洋人であっても農村社会では同様の判断する。要は社会すなわち環境が異なるからだと述べています。

 

 

ということを踏まえ、私は上記の会社を良くするための案に加えて、

  • 積極的に社外で活動をさせ社員に複業させるさせることで企業価値を落とさないまま農村社会の厚い壁を下げ「変革」をしやすくする。

ということができたらいいのになと考えていました。

それが結果的に面子を最も重視し変革に”ガイアツ”を必要とする閉鎖的な農村社会の文化を弱めることにつながると思います。

最近は複業が前提のベンチャーなどもあったりします。そして公務員であっても複業でNPOを立ち上げ街づくりに携わっている人達もいます。個人的には、複業を推奨させられるかどうかが企業価値を下げずに会社を「変革」できる唯一の方法だと思いますが、残念なことにそれを提案できる日は来ないまま会社を去ってしまいました。

複業ができるなら、実は今閉鎖的な会社よりも公務員の方が「変革」がしやすいのかもしれませんね。無理に売上アップを狙わないですしね。

そんなことを思いました。

 

逆に閉鎖的なまま業務拡大路線を取り続けた場合、友人からその後聞いたリゾートホテルの状況とおそらく同じ状況になっていくんだろうなと思いました。その内容は別途まとめたいと思います。

 

それでわ。

 

 

 

 

 

 

 

 

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