2016
05.02

旅をする木(星野道夫さん)を読み思ったこと

読書

 

とても面白いのだと紹介され、作家で写真家の星野道夫さんの『旅をする木』を読みました。

星野さんの文章は丁寧で表現が豊かであり詩的な雰囲気を持っています。特にアラスカの風景描写が美しい。あれもこれもやらないとと思って慌ただしくしている時にゆっくり読むといろいろと癒されます。

『旅をする木』はアラスカやその他の複数の話で構成されていますが、その中で特にこの短編が気に入りました。星野さんが16歳の時にブラジルに向かう移民船に乗りアメリカに渡り旅した時の話『16歳のとき』です。非常に短くアメリカでの様子が詳細に綴られているわけではありませんが、その中で、文頭、文末のこの部分が特に気に入りました。

 

 

16歳のとき

多くの選択があったはずなのに、どうして自分は今ここにいるのか。なぜAではなく、Bの道を歩いているのか、わかりやすく説明しようとするほど、人はしばし考え込んでしまうのかもしれない。誰の人生にもさまざまな岐路があるように、そのひとつひとつを遡ってゆくしか答えようがないからだろう。

旅を終えて帰国すると、そこには日本の高校生としての元の日常が待っていた。しかし世界の広さを知ったことは、自分を解放し、気持ちをホッとさせた。ぼくが暮らしているここだけが世界ではない。さまざまな人々が、それぞれの価値観をもち、とおい異国で自分と同じ一生を生きている。つまりその旅は、自分が育ち、今生きている世界を相対化して視る目を初めて与えてくれたのだ。それは大きなことだった。なぜならば、ぼくはアラスカに生きる多様な人間の風景に魅かれ、今も同じような作業を繰り返している気がするからである。

 

アラスカに暮らして、写真家、作家になるような行動力は全く微塵もありませんが、農業や有機農業に取り組み、一生をかけて何かの仕事に取り組みたいとは考えています。勉強はあまり好きではありませんでしたが、仕事は結構好きでオタク気質を刺激されます。そして、仕事を通し自分も10代のころからのオタクな作業を今も繰り返しているような気がするからです。

ただのサラリーマンでは物足りないと思う毎日を過ごすと、やはり行動あるのみだなと思います。何もせずにただ待つのはもう退屈です。

自分にはない行動をする能力のある人をとてもうらやましく思いますが、よく考えて整理すると、最近は比べている相手がいわゆる普通のサラリーマンではなくなってきていることに気づきました。自分の生まれからはこの年月が必要だったのだろうと思います。あと35年は精進できるよう型作りに励むとともに、会社組織に頼らない程度の判断力を養えたことは、今後多少は役立つかもしれないとサラリーマンに甘えていた自分に言い聞かせてみました。

それでわ。

 

 

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