2014
10.30

「一体感」が会社を潰す 異質と一流を排除する《こども病》の正体を読んで思うこと

読書

プリンシプルコンサルティンググループ代表取締役秋山進さんが書かれた、

「一体感」が会社を潰す 異質と一流を排除する《こども病》の正体という本を読みました。

 

秋山進さんは、コンサルタントとして、25年間さまざまな会社で、経営改革やリスク管理体制の構築を実務的にサポートしてきた実績があるそうです。

組織の問題点について書かれている本は他にも何冊か読んだことがるのですが、本書は次の点でかなり優れていると思います。

 

  • 著者の秋山さんが元リクルートで組織人として働いた経験があり、組織における問題点の分析が鋭いこと。

他の本では、著者がそもそも組織で働いたことがない人が書いているのでは?というものもあり、分析がよく理解できないものもあります。

要はサラリーマンはアホでだめだと言っているようにしか聞こえません。まずそもそもアホなんだと強調しています。

アホなサラリーマンも多数いますからしょうがないことなのですが、優秀な人ももちろんたくさんいます。ですからこの分析は合っていません。これは問題点の掘り下げが甘いんだと思います。そういった他の本に比べ、本書の分析はなるほどと唸ります。たしかに。の連続です。

  • 数多くの組織に実際席を置きコンサルティングしてきたこと。

実際に企業に席を置き、組織の問題点を実務的にサポートしてきたコンサルタントとして、自分が経験した事をまとめられています。

ですから、問題点が具体的で的確です。聞いた話だけではここまでまとめられないと思います。

また、働きながら客観的にそれを見て分析するのが好きなんだと思います。

そして、人が集団になるとどう動くのかといった心理学的な部分にも興味がおありなのだと思います。

人への尽きない興味を行間から感じとることができます。

 

また、私が読んだ中では、ではどうしてコドモ病の組織が多くなってしまったのか?という点の歴史的背景の指摘が非常に鋭いなと思いました。

以下抜粋します。

生産規模と効率が大事な高度経済成長時代には、同じ方向を向いて、同じときに、同じやり方で、同じことをする方が

効率的で大きな成果につながった。《同質性》が競争力の源泉だった。

全員のレベルの底上げを図ることが合理的だった。

また、

日本の組織においては、高い技術力よりも一人前レベルの技術力を持った同質性の高い人材が求められていた。

だから、社内ローテーションによって、その仕事の一流になる前に別の部署に異動になる。

いくつかの部署を経験する人がいることで部署間の調整がスムーズになる。

と指摘しています。

そして、

 経営者にとってコドモの組織の方が運営しやすく、経済的にも長く合理的だった。

と結論付けています。

日本の産業においては、企業内における同質性が経済的に長く合理的だったという時代背景からの分析にはうなずくばかりですが、

経営者にとってコドモの組織の方が運営しやすかったという点は違っていると思います。

経営者にとっても大人の組織の方が運営しやすいはずです。ただ、ここでいう大人の定義が、同質性を前提としたものであるということです。

要は部活のようなイメージなのでしょうか。

そして、このような同質性を求める組織の中の未熟な一部の人がマネジメントをすると、

「どちらが先輩か」「どちらが偉いか」「どちらが味方が多いか」といった考え方に傾きやすいのだと思います。

 

同質性を前提とした組織は、現在の停滞した経済の中では社会のしくみに合わなくなったのだと思います。

こういうの就職する前に教えて欲しいよね〜。

 

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