2015
01.11

差を分けるのは?

テニス

 

錦織は盛田テニスファンドから奨学金を得てアメリカのIMGアカデミーに留学し才能が開花しました。その時2人の日本人といっしょに留学したのですが、その後プロでまったく名前を聞かないので今はなにやってるんだろう?と気になっていたのですが、「Number 錦織圭のすべて。」に詳細が載っていました。

一人はスポーツ会社のテニス企画部、もう一人は実業団チームテニス部、だそうです。テニスのプロでもやってないんだと思うとなんだか切なくなりました。

せっかく中学生で才能を見出され世界で戦える可能性があると認められ海外テニス留学をしたのにこの差はなんだろうと思っていました。

錦織の後輩でIMGからプロになった日本人選手もいますから、二人は潰れてしまったに該当するのでしょう。

 

そうしたことも今のテニス界を見れば致し方ないのかもしれません、テニスの世界トッププロは非常に層が厚くて世界的に活躍するのは相当難しいのだとか。

世界の分厚い壁にぶつかり心が折れてしまったのかもしれません。

二人が裕福な生まれであれば周りもあえてそこまでテニスで頑張らなくてもいいのではといった空気になってしまったりもするのかも。

テニスは近年ラケットの進化によって、勝ち続けるためにはオールランドで成熟したプレースタイルが求められ、他のスポーツと違って10代から活躍することは非常に難しいのだそうです。

後から挽回するには相当な精神力が必要でしょう。また、医療の発達により30歳ぐらいまで第一線で活躍できるようになっていることが、選手層の厚みに拍車をかけているそうです。

余程の実力がないと人生をかけて頑張れないのでしょう。

割りに合わない世界。それがテニストッププロの世界なのでしょう。

 

 錦織世代の現状

日本以外の錦織同年代選手はどんな状況なのでしょうか。

ジュニア時代天才と言われ、錦織が全く勝てなかったジュニア世界ランク1位、アメリカのドナルド・ヤングは世界ランク50番〜150番ぐらいを行ったり来たりで、楽天オープンで実際見ましたが、世界トップと比べるとまあ正直全然パッとしませんでした。

なんかテニス楽しくなさそうでした。身長が低くサーブが強くないのですが、かといって錦織のようなストロークもない。器用さもない。決められないプレースタイルな感じでした。

オールラウンドなプレイヤーだそうなのですが、ジュニアレベルでまとまってしまった感じなのでしょうか。将来はアメリカを背負って立つと15歳ぐらいから言われていたそうですのでプレッシャーになったのかもしれません。

世界的なテニスのプレースタイルが変わってきていた時期だったので悩んでしまったのかもしれません。

ラケットの進化に伴って球足が早くなるに従い、逆にコートは遅くなっているのだとか。そうした世界の流行に合わせてスペインがクレーコートでジュニアを育てるのは意義があるそうです。

スペインと言えば、クレーコーターですからね。拾って拾って拾いまくるプレースタイルは、ジュニア時代からの育成の賜物のようです。

『日本のオムニコートではいい選手は育たない』がテニスコーチ共通の意見だそうです。

日本も世界を目指してコートから変えるべきですね!

錦織世代のヨーロッパナンバーワンジュニアだったダビド・ゴフィンも長く結果が出ずに2014年にようやくブレイクしました。こっちは結構器用なタイプなんでもっと伸びそうかも。

この子がダメなら、しばらくベルギー男子テニスはダメかもしれない。

とベルギー出身の元世界NO1エナンから言われていたそうです。

 

余談ですが、ベルギーの時間当りの労働生産性は世界4位で、20位につける日本の約1.5倍あります。成熟社会ヨーロッパを代表するすごく羨ましい国ですね。日本の労働生産性は主要先進7カ国中最下位です。

こちらもまずコートを変える必要があるのではないでしょうか。個人的な好みはクレーコーターのように拾って拾って拾いまくるスタイルでしょうか。

メンテナンスに優れる行政の施設管理者目線のオムニコートでは、世界のコートで膝が悲鳴をあげるそうです。

世界的に最も象徴的な宗教建築、サグラダファミリアのように百年単位での完成が望まれます。

 

錦織は何が良かったのでしょうか?

何かの本では、島根の田舎で自由に育てられたのが良かったのではないかと言われています。テニスは日本ではマイナースポーツ。

日本テニスのレベルは世界の中では下の方でアジアでようやく勝てるぐらいですから、ジュニアの育成も発展途上で未熟です。

杉山愛さんのお母さんの本によると、コーチが上から押さえつけて指導することでテニスが嫌いになってしまうジュニアがたくさんいて、助けを求めて移籍する子もいるそうです。

コーチ間の争いも熾烈で成績の良いジュニアを何人育てたかが実績となり仕事が入ることから、すぐに結果を求められる形にプレースタイルをまとめられてしまうのでしょう。

錦織はそれをされなかったのが良かったのだと。

男子については、ついこの間までは松岡修造を除けば他の選手は一番良くて世界ランク100番ぐらい、4大大会2回戦が最高成績です。

そうした環境の中で上から押さえられまとめられると実力もそれぐらいに自然に落ち着いてしまい伸びないのでしょう。

実際に錦織以外の日本人テニス選手はそのレベルでまとまっています。

一方でテニス大国のスペイン、チェコ、セルビアなどはDavis Cup代表選手は全員100番以内なんていう国もあります。

 

そして、錦織は島根の田舎でコーチにも恵まれたのでしょう。 錦織を5歳から中学2年生で渡米するまでの間指導した柏井コーチは大学からテニスを始めたそうで自由な発想で指導してくれるコーチだったようです。

 

Number 錦織圭のすべて。

「正々堂々とやっていたのでは勝てない」とあらゆる作戦を練っていた。

小学生とゲーム形式の練習をしている時でも自らドロップショットを使った。

 

また、盛田正明テニスファンド代表 盛田正明さんはテニスファンド選考会での錦織のこんな姿が焼き付いているそう。

 

Number 錦織圭のすべて。

「私には彼に才能があるかどうかはわからなかった。ただ、休憩時間に、一人でテニスボールでリフティングをしたり、いろんな格好でラケットで上に弾いていた。あ、この子のテニスは遊びの延長なんだなって思いましたね。」

 

そして、Numberでは次のようにまとめられていました。

 

Number 錦織圭のすべて。

錦織の誕生秘話を語るとき、必ず「あの松江からよくぞ」と言われる。だが、山陰の小さな町で生来の野生を削がれることなく育ったからこそ、今の錦織がいるのだ。

 

Youtubeには、トッププロのボール遊び動画がアップされていますが、そのレベルの高さにはびっくりします。

ラケットとボールを体の一部のように自由自在に操り曲芸のようなことができます。

錦織を武蔵に模した日清のCMもCGではなく実際に木刀でボールを打ってるらしいです。トッププロは型とルールにはまったテニスをしているようで、野生と知性を両立させ、最も効率的なボール遊びで相手を負かしている感覚なのかもしれません。

でなければ、ここぞという場面で起死回生のウィナーは打てないでしょう。

(錦織の天敵アンディマレー。現代テニスレジェンドの一人。この動画を見るとイチローのユンケルのCMを思い出します。そんなレジェンドでも若干切れやすい性格が災いしてグランドスラムではなかなか勝てませんでした。本当にすぐ切れます。余談ですが、階級社会イギリスでは、若者も身なりで出身階層がなんとなく分かるそうです。退屈な社会でしょうね。)

 

Number 錦織圭のすべて。

錦織とIMGで同期だった喜多が錦織に質問すると、

「どうやって打つの?って聞いても『いやあ〜、打つだけだよ〜』って。分けわからない」

 

(18歳にして世界3位のスペイン選手、フェレールをねじ伏せるテニスをする錦織)

 

人には説明できない微妙な感覚を積み重ねてあのショットが生まれているのでしょうね。

WOWWOWテニスの解説者で早稲田テニス部監督の土橋さんは、錦織のストローク技術について、『地面から上手に力をもらいボールに伝える技術が抜群に上手い』と指摘していました。

目の前で錦織のストローク見ると、ウィナーの時は体全体を駒みたいに回転させて振り抜いてます。

フォークのように相手のライン際で落ちるボールを見るとテニスってこういう軌道で球が飛ぶんだといつも口あんぐりです。

錦織よりも筋力がある選手(日本人選手含めて)はたくさんいるのにストロークで勝てるということは、ボールの”切れ”が違うのでしょうね。

 

今年もぜひ応援しに行かねば!

 

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