2015
04.05

女ノマド、一人砂漠に生きる(常見藤代さん)

読書

ノンフィクション写真作家、常見藤代さんの著書「女ノマド、一人砂漠に生きる」を読んだ感想をまとめた。

常見さんとは、NO SECOND LIFE 立花さんのセミナーでお会いして少しだけ立ち話させていただいた。
常見さんの印象はとてもふんわりされていて、エジプトの砂漠を長い期間遊牧民と旅していた感じにはとても見えないのが印象的だった。
本は随分前に読み終わっていたが、仕事がばたついていたことで書くのに時間がかかってしまった。

本書の概要を著書から引用する。
夫や子供達と離れ、たったひとりでラクダを連れてエジプトの砂漠で暮らす女遊牧民サイーダ。著書は、彼女と遊牧生活をともにするなかで、これまで自身で思い描いていた、素朴で自由な「ノマド」像とのギャップに困惑しながらも、彼女のたくましい生命力に惹かれていく。
結婚するまでお互いの顔をほとんど見ないという「恋愛」事情や一夫多妻のリアルな内実など、急速に変容するイスラム社会にあっても、日本とはまったく異なる価値感で力強く生きる一族の女たちを鮮やかに描いた渾身のノンフィクション
著者のすごいエネルギーはどこからきているのかまず気になったが、物語の冒頭部分に書かれていた。そこに特に引き込まれるものがあった。丁寧な文章描写から著者の思いや人生をかけた情熱のようなものが伝わってくるからだ。
私はひどく内気でおとなしい子供だった。
幼稚園では周りの子供達になじめず、毎日泣いて帰ってきた。
(中略)
大学に入るまで友人はなく、電車の切符も自分で買えないほど行動力に欠けていた。
そんな自分を変えたいと思った。
内気でおとなしい自分を変えるため海外に出て、そして異国を歩く魅力にとりつかれたそうだ。その時たまたまカメラを持って行ったことがきっかけで、写真や文章で表現する仕事がしたい思うようになり、世界一周し興味があったフォトジャーナリストとしてのテーマを見つけようとしていたが、エジプトに行き着いて自分にしっくりくるものを感じそこに留まることにしたそう。
社会の秩序は乏しいが、それを補って余りある人間的な温かさ。そんなものがこの社会の根底にある気がした。
本書は3部構成になっている。それぞれ感想を簡単にまとめてみた。
「第1部 女一人の砂漠」では、56才の女遊牧民サイーダさんと著者の砂漠暮らしについ書かれている。砂漠生活を2〜3日でいいが一度体験してみたくなった。結構繊細なタイプなので毒蛇がいるところでぐっすりと寝れる気はしないが、夜に砂漠に横になって空を見上げてみたくなった。星がよく見えるのだろう。死ぬまでに一度行くことにしようと思った。
「第2部 うつりかわり」では、遊牧民の定住地について書かれている。砂漠の中の広大なテーマパークとなっている定住地で収入の安定とひきかえに失ったものや、近くにいても心は遠いなど現代的な事情や悩みが興味深かった。
「第3部 男と女」では、イスラム教の恋愛事情について書かれていた。男と女は難しいと改めて難しいと思ったが、男女関係として非常にロジカルなしくみなのかもしれない。貧乏な男は大変だろうなと思った。具体的な内容はぜひ読んでみてほしい。

 

 

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